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K2Snowboardingが、Freeride Categoryを“Landscape Freeride Collection by K2"(2022/2023シーズン)という名称に一新

2022/12/5

2022/11/17、SaunaLab Kandaでウィンタースポーツ関係者、メディア関係者向けにLANDSCAPEシリーズがお披露目された。 当イベントには、日本に留まらず世界の山々をフィールドに活躍するK2Japanライダーの、以下3名が登場。日本を代表するライダー3名がTalk Session形式でのインタビューに応じた。

橋本"HASSY"貴興(47)

Hassyの愛称で親しまれる、スケートボードをルーツに持つ、元祖二刀流スノーボーダー。自然地形滑走やまだ見ぬ新たな斜面に魅力を感じ探求中。
近年は『Weekday雪 Asobi』平日限定ゲレンデセッションや『Eight Groove』スケートボードセッション、コンテストジャッジなどで活動の場を広げている。
Instagram/takaokihashimoto
https://hassytimes.com

渡辺 大介(29)

北海道倶知安出身。ニセコの大きな山の麓で伸び伸びと育ち、5歳でスノーボードと出会う。小学校4年でスノーボードキャンプに参加し、初めて見たプロの滑りに衝撃を受けプロに憧れを抱く。中学生からスノーボードクロスをはじめ、長野で行われたFISレースにて高校生として初の優勝を飾りジュニアナショナルチー ム入り。シニアになってからも活躍を続け、ナショナルチーム、日本代表としてW杯を転戦する。もともと大好きだったフリースタイルの道を歩みだすと同時にK2 Snowboardingに加入する。 Fight for Libartyでの撮影活動や、K2のインターナショナルトリップにも参加する。近年では、雑誌の執筆活動に加え、横浜中華街映画祭「滑板拳』の主演も務めるなど活動の幅を広げている。
Instagram/gradai_niseko

伊藤 藍冬(20)

出身:北海道札幌市
3歳からスノーボードを始める。勢いのある滑りと、自分しか持っていないようなこだわりのスタイルが持ち味。今後の目標は日本を飛び出してスノーボードの本場であるアメリカで活躍して世界中のスノーボーダーに最高のライダーだって言わしめること。
Instagram/aito_ito


今シーズン、どこを拠点に活動予定ですか。

伊藤:
北海道をベースの拠点にしつつ、タイミングが合えばアメリカに行きたいと思ってます。アメリカに友達が住んでいるので。あ、でもみんなどこ住んでるか分かんないな(笑)

一同:笑

伊藤:
ユタ州かな。現地に住む友達とコミュニケーションを取って、計画を立てたいと思います。

渡辺:
僕は北海道のニセコ出身なので、ニセコを拠点に撮影しながら、北海道内を周ったり、本州にも行ったり。撮影で海外も行く予定なので、日本と海外が拠点になりますね。

HASSY:
大介は明日からオーストリアに撮影行くんだもんね。

渡辺:
はい。プロモーションを撮りに、今回はオーストリアのインスブルックに行きます。

HASSY:
標高、高そうよね。

渡辺:
標高2,000Mあるんで、身体を少しずつ慣らしてですね。

HASSY:
僕は、長野県信濃町の北信五岳という山でバックカントリーの撮影をし続けているので、今年もそこが拠点になりますね。あとは、東北の名峰鳥海山や鳥取県の大山が凄い好きなので、チャンスがあれば今シーズン行きたいです。
海外は、ネパールのヒマラヤ山脈に来年3月頃に行けたら良いなと思ってます。2017〜19年にネパールのヒマラヤ山脈へ2回撮影に行ったんですが、雪崩でヘリで強制的に下山したり、標高4,200Mのベースキャンプをする所に雪が多くて辿り着けない等でプランを達成できていなくて。その時のチームともう1回行こうと話しているものの、コロナでまだ行けていないんです。


これまでで特に、印象深い1本のエピソードを聞かせて下さい。

渡辺:
僕は群馬県にある谷川岳での1本ですね。

HASSY:
おー、日本の山を出してきた。大介は海外経験も豊富なのに?

渡辺:
そうなんすよ。谷川岳で僕の中でスノボードが変わっちゃった1本があって。

HASSY:
谷川岳って世界一、死亡事故が出る山って言われてるんよね。

渡辺:
そう(笑)。ギネス認定されてますよね。結構危ない山と言われてるんですけど。 今から2年前位、本をよく読む時期があって『なんで人は山に登るんだろう』とかルーツを探していたというか。その時に、ある本で『人々は神に会う為に山に登っていた』という表現があって、なるほどと思ったんですね。
その本を読んだ後に登ったのが谷川岳で、すごいバチバチに感じちゃって。そこに行った人にしか感じられない感覚だと思うんですけどね。 今までの滑りでは『楽しい!』とか『カッコいいじゃん』ってシンプルな感じだったけど、谷川岳での滑りを通じて、僕のスノボは『舞い』なんだ、と。自分の滑りをこの山に奉納しているんだって思ったんすよね。

HASSY:
深いね。それって最近?

渡辺:
2年前の27歳の時なので、比較的最近ですね。突き詰めないと分からない世界があるなと知った経験でした。まあ、基本は『かっこいい!』『Yahh!』なんだけど、Free rideで山と向き合うとなると、精神的な面もあるし、地球との一体感とか、色んな事を感じられるんだなと。そういう1本でしたね。

伊藤:
自分は2人より、登ってる山の種類や数は全然経験してないし、ここ最近までリゾートばかりで滑ってたので、今みたいな深い話はないんですけど。
人生でなんか変わったかもと思ったのは、今年の夏に一人でアメリカに行った経験ですかね。オレゴン州のMount Hood(マウント・フッド)…昔からあるんですか?

HASSY:
あるある。

伊藤:
今年の夏に、K2のチームが集まって一緒に滑る機会があって。英語は話せないけど、どれだけ他のライダーに自分の滑りを見せつけられるかって、凄い楽しみに思う一方で、そこに集まってくるライダー達は憧れてた人ばかり。色んなムービーで見てたし、言わばファンの1人。そんな環境下で、怖気付いちゃうかなとも思ったけど、みんなフレンドリーで、すぐに仲良くなれた。
仲良くなれたからこそ、1番やばい滑りしたいって気持ちになって。毎日、こいつら全員に負けられねえって気持ちで滑ってた。それで皆んな、自分の滑りを見て気に留めてくれたんです。
今回の経験が、今後のアメリカでの活動しやすくなったと思うし、そこで出会った色んな友達から『今年の冬はどうするの?』とメッセージが届いたりして。 マウント・フッドが自分の人生の中で、でかいターニングポイントになったと思う。

インタビュア:
今シーズン、渡米するとなったらマウント・フッドに行く選択肢もあります?

伊藤:
あ、そうっすね。マウント・フッド行けばいいのか!(笑)

HASSY:
そうね(笑)。冬がベストなんじゃない?

渡辺:
マウント・フッドは2月に行ったことあるけど、広すぎて、なんか知らない湖に出ちゃって(笑)

一同:笑

伊藤:
そんな広いんすか?あそこだけじゃないんすか?

渡辺:
広い広い。

伊藤:
冬、もしマウント・フッドに行くなら、仲良くなった現地の友達と流れに身を任せて滑って、撮影できたらいいなと思います。

HASSY:
これまでで1番ドキドキしたのは、アラスカのヘインズかな。セスナで半径50キロ位、人がいない所で降ろしてもらって、仲間のライダーとカメラマンと1週間氷河キャンプ生活しながらホワイトハングという山の斜面を滑ったのがスリリングでしたね。
斜度は45〜50度位かな。雪は20CM位、ドライパウダーで、コンディションは良かったんですけど、撮影最終日、山合いを歩いて用意してる時に、いきなり表層雪崩が起きて、膝上位まで埋まったんですよ。

渡辺:
まぢっすか。それで行ったんですか。

HASSY:
そうそう。1時間半、400M位登って、斜めに斜めに小沢を乗り上げて隣の斜面出ようと思ったら、その小沢が深すぎてスラフで流されて。 あのまま流れていったら10〜15M位のクリフバンドがあるだろうから、やばいと思ったけど、途中で抜けられたから良かった。もうドキドキで、バックカントリーライドは、スリルジャンキーやなって思った経験だった。
あとは、今住んでる家の目の前にある山々ですね。誰も滑っていない所を、雪のコンディションを見ながら、チャレンジするのが達成感あって楽しい。
どこが1番って選ぶのは難しいんですけど、同じ山でも毎年、新しいラインを初めて滑るチャンスがあるんですよね。山に挑戦させてもらっているという気持ち、いろんな恩恵を頂いてるって気持ちで、なんか幸せな気持ちになりますね。 でも、失敗の連続連続連続でやっと成功する感じだから、その積み上げていく過程が楽しいのかもしれないな。


"スタイル"、"Freeride"とは何か教えて下さい。

伊藤:
…自由…(笑)?

一同: 笑

伊藤:
俺のスタイルは…今20歳で、今しかできない動きや勢いがあると思うし、歳を重ねると怪我治るの遅くなると思うし。今、よく分かんないけど、ぜんっぜん怪我しないし、怪我してもすぐに治るんですよ。

一同:笑

伊藤:
いずれでかい山を滑って、とも思うけど、今はそれよりも、とにかくでかいジャンプを誰よりもかっこよく飛んで、誰が見てもやばい、こいつには勝てないって思われる位の滑りをしたいし、野獣系(笑)?、獣っていうか。

HASSY:
(笑)ワイルド系ね。

伊藤:
うん、ワイルド系。こいつ、なんも怖くないんだって。見てる人の方が怖い!と思う様な滑りを、今のこの若い内に120パーセントの力でやりたい。これが今の俺のスタイルですかね。
Free rideは去年から、自分で山を登って滑るということを経験し始めたところ。今までは、リゾート中心でリフトを使って登るので、登るのに全然疲れないし、ただ滑りおりてくるだけだったけど、山に自分で登って、滑ってくるとなると、1日何本も滑れるわけじゃなくて。1日1本とかですかね?

HASSY:
1本の長さにもよるけど…

渡辺:
1本の時も全然あるよね。

伊藤:
そうですよね。登る途中でジャンプして、それを撮影するとなると、何回も登り直して。これまで自分で登り返して滑るって無かったから、この1本、集中して滑らないと、1チャンスしかないくらいの想いで滑るようになりましたね。

渡辺:
スタイル…スタイルと言われると正直すごい難しいんですけど。僕はスノボーダーの中で、誰よりも1番楽しく滑ってる自信がありますね。写真とか動画とか見てもめちゃ楽しそう(笑)。

一同:笑

HASSY:
楽しいが溢れ出てるのね。

渡辺:
そう、溢れ出てるのが自分が見ても分かる。相手を引き込む自信はあります。 元々、スノーボードクロスというレース競技をやっていて、日本代表選手として世界各国で滑っていたんですが、そういう硬い世界を知っているが故の反動なのか、めっちゃくちゃ楽しいです。滑ってる時は、全て忘れられるというか。
僕の中では、スノボを履いてる瞬間って言葉と一緒で、もう一つの言語というか。例えば、誰かと一緒に滑ると、この人こういう人かなとか、結構色々分かるんですよ。

HASSY:
言葉交わさなくてもライディングで会話できるってことやね。

渡辺:
伝わってますかね?

HASSY:
十二分に伝わってるよ!

渡辺:
Freerideとは何か…調和かな。Freerideはゲレンデで滑るのとはまた別。コンディションや自分のテンション、感じ方も毎回違うじゃないですか。状況をも自分で引き寄せるというか。タイミングが重なった時に、ベストなものを味わうという感じ。
正直、Freerideって敷居が高い印象があるじゃないですか。…なんかすごい難しいですね。なんか深くなっちゃった(笑)。

一同:笑

HASSY:
より難しい方へ…

渡辺:
自分で掘っていってたわ(笑)

HASSY:
ディグしたね(笑)

渡辺:
ディグしましたね(笑)。要は、いかにその山、自然と自分をリンクさせるかが、重要なのかなと思います。 調子に乗りすぎると怪我するし、控えめすぎても楽しくない。整備されていないフィールドで自然と対話しながら滑る、ということですかね。

HASSY:
僕は、スノボの前にやってたスケボーを始めた時から変わらずsmoothでstylishな滑りがしたいというのが理想に掲げているスタイルです。
Freerideは、自然との調和は大介と同じ。あとは、自分への挑戦でもあって、例えばFreerideでリフト使わない時だったら、準備のパッキング、タイムワークから自分で組み立てて、1番いい時間に滑れるように準備していく。こういうちょっとしたチャレンジが楽しい。そこが上手いこと完成して、1筆書きの様ないいラインで滑ることができる。
滑るのも、ただ滑り下りてくるんじゃなくて、その地形に合わせて、自分の革新的な走りをしたいし、気の利いたフリースタイルラインでおしゃれに滑れたら尚、最高。 Freerideはプチ挑戦が楽しいよね。いや、プチじゃないか。がち挑戦か(笑)、がっちり向き合ってやってるわな。

一同:笑


LANDSCAPEシリーズの◯◯を選ぶ理由とは

渡辺:
今1番好きでメインで乗っているのはインストルメントですね。

HASSY:
僕はマニフェストJP。一言でいうと自分のスタイルに合ってる板。求めてるフィールド、スタイルに板が適しているか、という基準で選ぶよね。みんなそこは一緒やんな?(笑)

一同:まあ、そうですよね(笑)。

渡辺:
僕がインストルメントを選んだのは、ウエストが太いからです。僕自身、カービングが好きで、めちゃくちゃ板を立てるのが得意なんですよ。ターンする時に板を傾けるんですけど、90度以上曲げられる位いけちゃう板。細いとブーツがはみ出ちゃうけど、インストルメントはウエストが太いから、はみ出ないし。 ちょっと板が柔らかいので、敢えて長めのモデルを選ぶことで、扱いやすいと思って選びましたね。

HASSY:
アルケミストは、他の板と比べると硬い板だよね。

伊藤:
硬いですけど、以前よりは少し柔らかくなりましたよね。

HASSY:
そうね、2〜3年前の時よりかは柔らかくなったかな。

渡辺:
僕は初期のアルケミストより、今回の方が乗りやすいと思いました。

伊藤:
俺は初期の方が乗りやすいですね(笑)

渡辺:
え?逆に(笑)?

一同:笑

渡辺:
確かに、藍冬はハーフパイプあがりだから、アルケミストの高性能を引き出せるよね。そもそも、スノボが上手くないと、ハーフパイプ出来ないんですよ。だよね(笑)?

伊藤:
元々ハーフパイプやってたから、硬い板が好きっていうのもあるんですけど、アルケミストを使ってる時が1番調子いい、K2にいる理由はこの板があるから、それぐらいこの板が好きです。
アルケミストに乗ってて、特にいいなと思うのは、マニアックな話になるんですけど、板の中にカーボンが斜めに入ってるから、地面がボコボコの所を滑っても勝手にカーボンが動いて、力を吸収するんです。
すごいスピードが出ても板が硬いから負けないし、飛ぶ瞬間までスピードを一切落とさないでサポートしてくれる。普通だったら自分の足で、合わせないといけないところも、全部アルケミストがやってくれる、ブルドーザーみたいな感じですね。

渡辺:
いい話じゃないですか(笑)

一同:笑


今季販売されているBraindead とのコラボレーションモデルBraindead x K2 Excavator


左からインストルメント(渡辺使用)、マニフェストJP(hassy使用)、アルケミスト(伊藤使用)
...
We climb one mountain, to climb the next.

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