COLUMN
バックカントリーレジェンドスキーヤー五十嵐和哉氏によるBCAコラム ②
日に日に過ごしやすい日が増え、我らバックカントリーを愛する者にとっては雪山が恋しくなってきましたね。バックカントリーレジェンドスキーヤー 五十嵐和哉氏によるコラムを全3回シリーズ(9月、10月、11月)にてお送りします。
第二回目は◎「BCギアの準備、チェックは大丈夫?」◎
というタイトルでお送りいたします。雪山では何が起こるかわかりません。しっかりとした事前準備が大切になります。さぁ、この機会に皆さんもご自身のギアをチェックしてみましょう。このコラムのを参考に安全で楽しい雪山をお楽しみください。
BCAコラム②「BCギアの準備、チェックは大丈夫?」五十嵐和哉
そろそろ雪の便りも聞こえ始め、うずうずしだしてきた事ではないでしょうか。今期も、安全に楽しく、良いパウダーを満喫するために、雪山に行く前にしっかりと、BCギアをチェックし準備を整えましょう。
以下の他、パック、ポール、シール、ウェア等チェックし準備万端、整えましょう。
ビーコン
取り扱い説明書に沿って機能のチェックをお願いします。
※全てのBCAビーコンの耐用年数は5年です。3シーズン終了後はサービスセンターでパフォーマンスサービスを奨励します。
- 電池の液漏れ、腐食等ないか、電池ソケット部を確認
→電池・電源を入れ機能するか確認 - 液晶部確認
→割れ、ヒビ、傷ないか確認 - スイッチ部
→破損個所ないか
→正常に動くか、稼働するか - ハーネス
→各ストラップにほころびはないか
→バックル、リングは壊れていないか - スイッチを入れて全体確認
→各起動まで問題ないか
→音に異常はないか - 各機能のチェック
→TR発信モード / SE受信モード
→SSシグナルスープレッションモード
→BPモード / ARモード
E2フロート
取り扱い説明書に沿って機能のチェックをお願いします。
- 電源が入っているかどうか
- 液晶画面でスーパーキャパシタの電池が残っているかどうか確認
- 単三電池が格納されているかどうか
- LEDライトが緑に点滅しているかどうか
- エアバッグに穴が開いているかなど異常がないかどうか(一度展開することを推奨)
ショベル
取り扱い説明書に沿って機能のチェックをお願いします。
- シャフトのスプリングピンは正常に動くか
→アルミニウムのカビで動きが鈍くないか
→ゴミや砂が挟まっていないか
→CRCを吹きかけふき取る - ブレード部の曲がりや、破損はないか
プローブ
取り扱い説明書に沿って機能のチェックをお願いします。
- スムーズにロックされセットできるか
- ジョイント部分のまがりはないか
- 数字がはがれて見づらくなってないか
- 先端の石附部は正常についているか
- 全体に傷や、損傷部はないか
【ビーコン編】シーズン前のギアチェック動画
BCAトランシーバー出発前テスト
【ショベル編】シーズン前のギアチェック動画
【プローブ編】シーズン前のギアチェック動画
【フロート編】シーズン前のギアチェック動画
オススメ!BCA ギア
BCA Dozer™ 2H Avalanche Shovel
新しいオボコンケーブ・シャフト、ロープロファイルのストンパブル・ブレード、そして幅広いコアアウト・ハンドルにより、BCAショベルはこれまで以上に強く、軽く、パッカブルになりました。この新しいラインは、伝説的なD-2 EXT "ドーザー "ショベルにインスパイアされています。BCAのコアなファンの間で非常に人気があるため、新ライン全体にこの名前を付けました!BCAは、こじ開ける際の破損を防ぐために、丸くないシャフトを持つ雪崩用ショベルを最初に作りました。 その画期的な楕円形のデザインに、両サイドに凹状のRをつけることで、重量を増やすことなく、より強度を増しました。 高級ラクロス・スティックのようなこの形状は、手のひらでのグリップも向上させ、ショベルの滑りを軽減します。 BCAの伸縮可能なモデルはすべて、雪崩救助用ショベルのUIAA規格に適合するよう設計されている。
DOZER 1T SHOVEL
一番広く親しまれている大衆向けシャベル
北アメリカで広く親しまれているアバランチシャベル“B-1 EXT”をアップデートさせた定番モデル。青と緑の2色展開。
DOZER 1T SHOVEL BLUE
DOZER 1T UL SHOVEL GREEN
五十嵐 和哉
1979年より三浦雄一郎のもとで活動。ナショナルチームモーグル選手として国内外、ワールドカップ出場。その後全日本ナショナルチームコーチを務め里谷、附田、三浦等多数の選手を育成。 ミウラ・ドルフィンズでは三浦敬三、雄一郎、豪太の数々のプロジェクト及び子供・大人のスキー、アウトドアキャンプの企画運営を行う。スノードルフィンビデオ等多数出演。 1999年より三浦雄一郎エベレストプロジェクトマネージャーを務め2008年5月三浦雄一郎とともにエベレスト登頂。 冬季はかぐらスキー場にてバックカントリーガイドを務め、夏期はEOCジャパン㈱にてK2スキー、BCAアドバイザーを務める。
・スキーガイドステージⅠ
・登山ガイドステージⅡ
・雪崩業務従事者レベルⅠ
・無線従事者第4級アマチュア無線技師
【競技関係略歴】 |
1981~88 全日本フリースタイルモーグル ナショナルチームB指定 |
1989~94 全日本フリースタイルモーグル ナショナルチームコーチ |
1994 リレハンメルオリンピック モーグルコーチ |
1995~00 北海道スキー連盟フリースタイル モーグルコーチ |
2000~23 全日本スキー連盟競技技術・運営指導員 |
【主要登山経歴】 |
1985秋 エルブルース(ロシア) 5,500m (5,300mまで) |
2000春 エベレストBC(ネパール) 5,350m |
2001春 メラピーク(ネパール) 6,476m 登頂 |
2003春 エベレストBC(ネパール) 5,350m |
2005秋 チョモランマABC(チベット) 6,400m |
2006秋 シシャパンマ(チベット) 8,012m (7,000mまで) |
2007春 アイランドピーク(ネパール) 6,189m (6,000mまで) |
2007秋 チョモランマABC(チベット) 6,400m |
2008春 エベレスト(ネパール) 8,848m 登頂 |
2009春 マッキンリー(USAアラスカ) 6,120m (5,200mまで) |
2012秋 ロブチェイースト(ネパール) 6,119m (5,300mまで) |
2013春 エベレストBC(ネパール) 5,350m |